【聖句】
そのときあなたたちが戦う必要はない。
堅く立って、主があなたたちを救うのを見よ。
(旧約聖書・歴代誌下20章17節)
【黙想】
周囲の国、民が徒党を組んで
ユダに攻め込んでくるという知らせを受けたヨシャファト王。
王は国中に、
断食して祈るようにと命じ、
自分自身も断食して
必死に祈りました。
主よ、わたしたちには、
攻めて来るこの大軍を
迎え撃つ力はなく、
何をなすべきか分からず、
ただあなたを仰ぐことしか
できません。
この祈りは、
自分たちにはなすすべなきことを
百パーセント認めて
神さまのご介入を求める祈りです。
すると主はこう言われました。
この大軍を前にしても恐れるな。
おじけるな。
これはあなたたちの戦いではなく、
神の戦いである。
明日敵に向かって攻め下れ。
・・・
そのときあなたたちが
戦う必要はない。
堅く立って、
主があなたたちを救うのを見よ。ユ
ダとエルサレムの人々よ、
恐れるな。おじけるな。
明日敵に向かって出て行け。
主が共にいる。
この言葉を聞いたヨシャファトは
翌朝早く、
民を率いて出立し、
主を讃美する聖歌隊を先頭に
出陣しました。
そして彼らは勝利しました。
自ら戦わずして、
主の奇跡によって
圧倒的な軍勢に勝利したのです。
そのときあなたたちが
戦う必要はない。
堅く立って、
主があなたたちを救うのを見よ。
まさにこの聖句のとおりに
なったのです。
ただ、ひとつ
見落としてはいけないことがあるのです。
たしかに彼らには、
戦う必要はありませんでした。
主が彼らのために
戦ってくださったからです。
その通りです。
でも彼らは、
戦いの場には出かけて行ったのです。
主の言葉をよく見ると、
明日敵に向かって攻め下れ。
明日敵に向かって出ていけ。
と繰り返されていますよね。
主は、
「これは私の戦いだから、
君たちは家で寝ていなさい。
ここで待っていなさい」とは
おっしゃっていません。
明日、敵に向かって、
戦いの場に出ていけ、と命じられ、
そこに堅く立って、
主の御業を見よとおっしゃったのです。
兄弟姉妹、
主がなんとかしてくれる。
たしかにそうです。
でも私たちにも
なすべきことがあります。
主が勝利されることを信じて
出かけて行くことです。
敵とは戦わなくていい。
それは主の仕事ですから。
しかし、
自分の内なる恐れ、
不安、疑いの心に抗い
信仰の一歩を踏み出のは
あなたなのです。
ペトロに水の上を歩かせたのは
イエスさまでしたが、
実際に舟を出て
水の上に最初の
一歩を踏み出したのは
ペトロ本人でした。
5つのパンと2匹の魚で
5千人の人々を養ったのは
イエスさまでしたが、
そのパンと魚を差し出したのは
弟子たちであり、
そばにいた少年でした。
主よ、わたしたちには、
攻めて来るこの大軍を
迎え撃つ力はなく、
何をなすべきか分からず、
ただあなたを仰ぐことしか
できません。
この祈りは、確かに
自分の弱さを認め
無力さを告白する祈りですが、
裏を返せば、
この祈りに応えて
主が自分に
何かをお命じになるなら
わたしはそれを致します、という
覚悟の祈りでもあると思います。
なすすべを失った者の
本気の祈りは、
どんなことでも
主の言われた通りにする、という
献身の祈りになっていくのです。
だとすれば、
無力な自分を主の前に投げ出す。
それは怠惰なこと
弱々しいことではなく
本当は一番勇気のいることでもあるのです。
【小さな祈り】
ああ主よ。
舟の中に留まったまま
安全な場所に留まったまま
あなたの栄光を見たいと思っている。
そんなずるい私です。
自分の弱さを知っている
と言いながら、
まだどこかで、
自分を献げきれない。
なすすべがありません、
と言いながら
あなたの御旨に従おうとしない。
私はなんと曲がった者でしょう。
主よ、曲者の私を憐れんでください。
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*あなたの言葉で祈りを続けましょう。
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アーメン。
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